回帰分析中級 ・ 二項従属変数モデル
限界効果はなぜ「他の変数」に依存するのか
Probit の例
Probit では限界効果が $\dfrac{\partial \Pr(Y=1\mid X)}{\partial X_j}=\phi(X\beta)\,\beta_j$ となる。
係数 $\beta_j$ は定数だが、密度 $\phi$ の中身である $X\beta$ は評価する点に応じて変わる。つまり 他の変数の値が変われば、ある変数の限界効果も変わる。以下では、つまみを動かして変数の値を変えることができ、そのことを確かめられる。
1まず1変数で:$\Phi$ の傾きが $\phi$ である
$\Pr(Y=1\mid X)=\Phi(\beta_1 X)$(切片 $0$)。S字曲線の各点での傾きを集めたものが、下の釣鐘型 $\phi(\beta_1 X)\,\beta_1$ である。点を動かすと傾きが変わることを確認する。
$\beta_1 X$($\phi$ の中身)0.00
$\Phi$ の傾き $\phi(\beta_1 X)$0.399
限界効果 $\phi(\beta_1 X)\,\beta_1$0.399
$\phi$ は釣鐘型で $\beta_1 X=0$(確率 $0.5$ 付近)で最大、裾で小さい。確率は $0$ と $1$ で頭打ちなので、すでに端にいる主体は $X$ が動いても結果が変わりにくい。
$\Pr(Y=1\mid X)=\Phi(\beta_1 X)$ と接線(傾き $=\phi(\beta_1 X)\,\beta_1$)
限界効果 $\phi(\beta_1 X)\,\beta_1$(S字曲線の傾きを集めたもの)
23変数の例
$\Pr(Y=1\mid X)=\Phi(\beta_0+\beta_1X_1+\beta_2X_2+\beta_3X_3)$。係数は固定。$X$ を動かすと $X\beta$ が動き、累積分布関数 $\Phi$ 上の現在地と、その点の傾き $\phi(X\beta)$ が変わる。すると3変数すべての限界効果が一斉に変わる。
$\Pr(Y=1\mid X)=\Phi(X\beta)$。$X$ が動くと $X\beta$ が動き、CDF 上の現在地と接線の傾き($=\phi(X\beta)$)が変わる。
その傾き $\phi(X\beta)$ を取り出した釣鐘。上の点の傾き=下の点の高さ。これが限界効果の共通因子。
限界効果 $\phi(X\beta)\,\beta_j$(符号付き)。$X\beta$ の値が裾の方の値を取ると、3つとも値が小さくなる。
同じ $\beta_1$ でも、$X_2$ や $X_3$ を動かして $X\beta$ を裾の方に移動させると、$X_1$ の限界効果は小さくなる。これが「他の変数に依存する」ということである。
3他の変数の値によって限界効果が変わることを確認
注目する変数の限界効果を、横軸に取った別の変数の関数として描く(残りは Panel 2 のつまみの値で固定)。曲線上の点が現在地である。
注目する限界効果
横軸に動かす変数
横軸 $X_2$、縦軸 $\partial P/\partial X_1=\phi(X\beta)\,\beta_1$。$X_1,X_3$ は固定。
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